選定品


令和6年度「学流協の推奨品」エントリーについて
令和5年3月
公益社団法人 学校給食物資開発流通研究協会

令和6年度の「学流協の推奨品」のエントリーは『令和6年度開発テーマ』に沿い、また、学校給食用開発食品選定基準に基づき、下記要領にてお願い致します。

1.生産会員以外のエントリー方法
エントリーは「学校給食用食品の製造を業とする個人又は法人で協会の目的に賛同頂ける方」はどなたでも可能ですが、物流、商流及び営業活動について全国各都道府県に於いて可能なことが前提となります。

また、エントリーにあたり、審査会等の諸経費の負担金として「10万円」を申し受けます。審査会は令和6年度開発スケジュールに沿って行いますが、当日は会場にて試食、商品説明をお願い致します。

尚、審査をパスした食品については、1品30万円の給食品出品料及び公的検査費(新規・変更のみ1品約10万円)とホームページ作成実費(1品2.5万円)等を頂きます。(会員と同様のご負担です。)


エントリーをご希望の方及びご不明の点やご質問は、メール等で事務局までご連絡ください。


MAIL: grk-21@ac.auone-net.jp
FAX:  03-5298-6126


2.生産会員のエントリー方法
生産会員のエントリー方法につきましては、例年と同様、生産委員会等でご説明の通りです。





令和5年度新規推奨品 審査経過(報告)
1.開発テーマ
  学校給食環境・喫食形態の多様化に配慮し、
  「おいしく安全楽しく食育」にふさわしい優良食品の開発に取り組む。

 サブテーマ
 1.栄養バランスのとれた献立作りに適した食品
 2.咀嚼力や体力の向上など健康づくりや食育に役立つ食品
 3.汎用性があり献立に貢献できる素材の良さをいかした食品
 4. 減塩に配慮し、塩分控えめで一味加えられる薄味の食品
 5.不足がちな栄養素の鉄分・カルシウム・食物繊維等に配慮した食品
 6.食物アレルギーの児童・生徒にも対応できるよう工夫・配慮した食品
 7.配膳作業に配慮した包装形態
 8.衛生面や環境に配慮した個包装品や紙パッケージ等での提案
 9.小学校低・高学年及び中学校に対応できる規格の複数化での提案
 10.地場産物の活用や郷土料理をいかした提案
 11.地域の食文化の継承につながる和食に適した食品の提案


サブテーマの中で、本年も特に給食現場からの要望の高い『塩分控えめ』、
『鉄分』『カルシュウム』『食物繊維』などの不足しがちな栄養素を充足させる製品や、
アレルギーへの配慮をエントリーする生産会員へ事前に呼びかけました。


2.「開発テーマ」に則り、生産会員より14品の提案がありました。

  本年 昨年
調理冷凍食品  7 8
その他冷凍食品(デザート) 3 4
農産加工品 1 1
冷凍魚肉練り製品 1 1
佃煮 2 0
惣菜類煮物(冷蔵) 0 1
14品 15品


3.開発専門部会(一次審査)開催
  流通代表委員(ブロック代表・副代表)による審査、及び九州・沖縄、関東での
  学校関係者並びに流通会員による審査会(計3回)を開催しました。

日時  審査会名  審査員  
8.17(水) 東京 流通代表審査会 7名 流通代表 
8.24(水)  九州・沖縄学校関係者審査会  31名  学校関係者23名
流通関係者 8名
9.6(火)  東京 関東学校関係者審査会  22名   学校関係者14名
流通関係者 8名
  60名 延人数 


今年は流通代表審査会を皮切りに、福岡で九州・沖縄、東京で関東の学校関係者と
流通関係者の延べ60名で審査を実施しました。
審査項目の食品の価値(3項目)と商品の嗜好(5項目)の評点及び総合評価の評点を集計し
令和5年度学流協の推奨品の基礎データ、審査評価グラフにまとめました。
これらの資料を基にして、定性的分析資料等も含めて、検討の上、9月18日に
開催の開発委員会で選定候補品の開発食品選定委員会への上申を決め、
9月28日開催の開発食品選定委員会で、令和5年度の学流協推奨品を決定しました。


4.開発委員会開催
  9月14日(水)に開発委員会を開催しました。
  学校関係者及び流通関係者の3回の審査会を経て、
  9月15日(水)に新型コロナウィルス感染症に配慮して味の素冷凍食品(株)品川事務所
  B2会議室にて開発委員会を開催致しました。

出席:石井開発委員長、福島 副開発委員長ほか各開発委員計8名出席。

本年のエントリー品14品を審査結果集計データに基づき、検討致しました。
冒頭石井開発委員長より下記の通り開会のご挨拶がありました。

今回初めて開発委員長に就任して、今回、審査会に3回参加しました。
令和5年度の開発事業では、九州・福岡で学校関係者の意見を聞き、
その後、関東の先生方にも審査いただきました。
それぞれの立場でとても有意義な意見をいただきました。
審査結果は、マイナスの評価になっている物はなく、総じて高評価でした。
初めて開発委員長として開発事業に携わり、すごく慎重に審査していると感じました。

本年エントリー品14品の審査結果集計データに基づいた、検討結果を下記します。

令和5年度の推奨品について,審査結果の基礎データ表による総合評価欄の全合計値を検討しました。
A-1からA-11,B-1からB-3の評価の点数と標準偏差値を見て検討した結果は、
14品の値は普通より良い評価でした。
コロナ禍により、パネラー数が昨年よりは多いものの、まだ平年よりは少ない条件化での
審査結果ですので、個々に食品価値及び嗜好の項目の値について検討を加えました。
数値を確認し、更に個別の検討項目について開発委員の意見を聞きました。
審査は-2点から+2点までの0点を入れての5段階評価で実施しています。
0点が中間点となります。

1)《A-1》『肉だんご(トマトソース)』。平均値1.08
 味も汎用性の評価も高かった、大きな低評価点はなく、ほぼすべての項目で
 1.0を上回りました。

2)《A-2》 『国産鶏肉と豚肉のハンバーグ』。平均値0.82
 宗教上豚肉が食べられない児童がいるため、
 鶏肉だけの方が良いとの意見もありましたが、見た目や作業性で高評価でした。
 味の項目で流通、学校関係者が0.38と低評価でしたがその他の項目は1.0以上でした。

3)《A-3》『レモンとバジルのチキン香揚げ』。平均値0.70
 個数が確定でない点を問題視する意見もありましたが、素材性、作業性、食感、
 色合いで高評価です。
 この食品で給食のバリエーションが増えるのではないかとの意見もありました。

4)《A-4》『バジルソースベース』。平均値1.12 
 今回のエントリー品の中で2番目に高い得点でした。
 色合いも良くいろいろな料理に使えるという意見も多くみられました。
 大きな低評価点はなく、ほぼすべての項目で流通、学校関係両者ともに
 1.0以上の高評価でした。

5)《A-5》『パスタミニシリーズ』。平均値0.87
 作業性と汎用性の得点が高く、約30秒の加熱で調理出来、形も小さく、
 いろいろなものに使えると好評でした。食感が0.42と比較的低評価でしたが、
 その他の項目は1.0に近い値でした。

6)《A-6》『しそひじき』。平均値1.02
 大きな低評価点はなく、食感、味、汎用性で高評価でした。
 野菜と合えたりして、いろいろなメニューに使えるとの意見がみられました。

7)《A-7》『しじみ佃煮』。平均値0.53
 貝のきもが入っていることで子供の嗜好に合わないという意見から高評価点は
 少なかったものの、安定的に各項目で0.5前後のポイントでバラツキもありませんでした。

8)《A-8》『北海道産チルドポテト』。平均値0.68
 これは令和3年までの既存推奨品の再提案です。
 作業性、汎用性の評価が高かったです。

9)《A-9》『7種野菜の華やかごはん』。平均値0.88
 色合いの評価が高く満点に近かった。
 大きな低評価点はなく、彩りも良く、学校給食に向く商品との意見が多くありました。

10)《A-10》『おさかなソー』。平均値1.00
 フィルムがなくそのまま使える魚のソーセージで高評価でした。
 作業性、汎用性、の面で1.0を上回り、宗教上畜肉が摂取できない児童にも
 対応できるとの意見もありました。

11)《A-11》『便利な北海道産真いわしのうめ煮』。平均値0.70
 ひと袋の中味が少ないとの意見もありましたが、大きなバラツキもなく、
 素材としての評価が高かったです。

12)《B-1》『アセロラゼリーFe』。平均値0.98
 大きな低評価点はなく、ほぼすべての項目で1.0に近い値でした。
 容器がすべて紙なのも評価が高く、そのまま配膳できる利便性も評価されていました。

13)《B-2》『自然解凍個包装ミニパンケーキ』。平均値0.27
 地方学校関係者の調理方法の評価が低かったものの、食品の嗜好の項目が
 外観を除いて0.9以上となっています。
 食品の価値の項目も汎用性を除いて健闘しており、コロナ禍の中での給食現場に
 適しているとの意見がありました。

14)《B-3》『お米de国産りんごのタルト』。平均値1.22
 今回の審査で1番の高得点でした。
 大きな低評価点はなく、ほぼすべての項目で高評価です。
 使用してみたいとの意見が多くみられました。

15)《B-1》〜《B-3》。デザートは3品の提案があり、《B-1》『アセロラゼリーFe』、
 《B-2》『ミニパンケーキ』、《B-3》『りんごのタルト』については、
 すべての項目で問題がなく、味の評価も高かった。


5.開発食品選定委員会結果
  開発食品選定委員長の田島 眞 実践女子大学名誉教授を中心に
  開発食品選定委員会が9月29日(水)に(株)ニチレイ スコレ雪ヶ谷研修センターで開催され、
  最終審査が行われました。

  最終審査では生産会員の商品説明に対し、試食をしながら各委員から活発な
  意見と質問が出されました。
  審査の結果、令和5年度審査合格数(新規)は14品となりました。
  各審査会では、流通会員のご尽力と、コロナ禍にもかかわらず学校関係者の方々の
  ご理解を頂戴し、先生方の多数の参加が実現し、福岡・東京両会場とも
  学校関係者審査員による活発な審査会を開催する事ができました。
  ご協力誠にありがとうございました。
  併せて、開発選定委員会で次期、令和6年度の「開発テーマ」も審議いただき
  決定しました。


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